猫が食べても安全な食べ物と避けるべき食べ物
- PETLIF
- 2024年6月10日
- 読了時間: 12分
更新日:1月11日

猫は飼い主の食事中に、人間の食べ物に興味を示すことがあります。しかし、注意が必要なのは、猫にとって安全でない食べ物も存在するということです。この記事では、猫が食べても安全な食べ物と避けるべき食べ物について詳しく解説します。ただし、猫によってはアレルギーを引き起こす可能性があるため、与える際は注意が必要です。
猫にとって安全な食材と危険な食材を一覧にしました。猫が食べても大丈夫な食材と、避けた方が良い食材についてご紹介します。ただし、猫の健康状態やアレルギーの有無によっても異なるため、与える際には注意が必要です。
猫に与える食材を危険度ごとに解説します。
「絶対に与えてはいけない食材」 猫にとって危険なので、口にすることを避けるべき食材です。中毒やアレルギーなど、重篤な症状を引き起こす可能性があります。
「与え方に注意が必要な食材」
猫によっては問題が起こる可能性があるので、与える際には注意が必要です。適量を守り、与える前に十分に調査してください。
「健康な猫に適した食材」
基本的には安全な食材ですが、適切な与え方を心掛ける必要があります。少量かつ種類を限定して与え、猫の健康状態を見ながら慎重に管理しましょう。
野菜
猫に与えてはいけない食材と、注意が必要な食材、安全に与えられる食材の一覧です。
絶対に与えてはいけない食材
玉ねぎ
長ねぎ
にら
にんにく
アボカド
ゆり根
玉ねぎ、長ねぎ、にら、にんにく これらの食材には、赤血球を破壊する成分が含まれており、猫にとって非常に危険です。中毒症状を引き起こし、最悪の場合は死に至ることもあります。
アボカド 「ペルシン」という成分が含まれており、猫に中毒症状を引き起こす可能性があるため、与えてはいけません。
ゆり根 有毒成分はわかっていませんが、重度の腎機能障害を引き起こすことがあるため、注意が必要です。ゆり根を含むユリ科の植物は全体に注意が必要です。
与え方に注意が必要な食材
ごぼう
春菊
たけのこ
ふきのとう
水菜
れんこん
じゃがいも
ごぼう、れんこん、たけのこ、ふきのとう、春菊、水菜、じゃがいも これらの食材を与える場合は、茹でてから細かく刻んだものを少量にして与えてください。尿石症や肝臓・腎臓障害の原因となる可能性があるため、注意が必要です。
健康な猫に適した食材
アスパラガス
いんげん
枝豆
かぼちゃ
キャベツ
きゅうり
ゴーヤ
さつまいも
さやえんどう
しいたけ
そら豆
とうもろこし
トマト
菜の花
にんじん
白菜
ピーマン
ブロッコリー
レタス
生のままでも大丈夫なのは、きゅうり、水菜、レタスのみです。その他の食材は、茹でてから細かく刻んで少量にして与えるようにしましょう。特に食物繊維の多い食材や高カロリーなものには注意が必要です。
さつまいも 「でんぷん」が豊富に含まれており、摂りすぎると肥満の原因になる可能性があります。
そら豆 「カリウム」が豊富に含まれているため、腎臓病のある猫には注意が必要です。
とうもろこし 硬い皮が消化されにくいです。
トマト ヘタを取り除いた身の部分であれば大丈夫ですが、調味料で和えたものは与えないでください。
菜の花・ブロッコリー 成分的には問題ありませんが、調味料で和えたものは与えないでください。
にんじん 十分に火を通し、すりつぶしてから与えましょう。生のまま与えると下痢の原因になります。
白菜 消化が良く、少量であれば問題ありません。
ピーマン 硬い皮を持つので、素茹でしたものを与えてください。
レタス 水分が多く、「マグネシウム」なども少量ですので、与えても問題ありません。
この一覧は猫の健康に配慮した食事を考える際の参考となります。猫に与える際は適切な量や与え方に気を付け、獣医師の指導を受けることが大切です。

果物
猫に与えてはいけない食材と、注意が必要な食材、安全に与えられる食材の一覧です。
絶対に与えてはいけない食材
・ぶどう
・いちじく
・パパイヤ
・マンゴー
ぶどう・レーズンは猫にとって腎臓に損傷を与える危険性があるため、絶対に与えてはいけません。
いちじくは中毒を引き起こす成分が含まれているため、口にすることで炎症や嘔吐などの症状が現れる可能性があります。
パパイヤは特定の酵素がアレルギー反応を引き起こすおそれがあるため、与える際は慎重に注意してください。
マンゴーの皮部分に含まれる成分によってアレルギー反応を引き起こす可能性があるため、与えるのは避けた方が無難です。
与え方に注意が必要な食材
・りんご
・みかん
りんご 糖分が多いため、摂りすぎると肥満や糖尿病のリスクが高まります。また、硬さに注意して、細かく刻んで与えてください。
みかん 皮に含まれる中毒成分に注意し、果実や果汁を与える場合でも柑橘系のにおいを嫌う可能性があることに留意してください。
健康な猫に適した食材
・いちご
・さくらんぼ
・スイカ
・梨
・パイナップル
・バナナ
・メロン
・桃
いちごは一部の猫は食物アレルギーにより消化不良を起こすことがありますので、適量を守って与えてください。
さくらんぼの種の中に含まれる中毒成分に注意し、丸ごと与える場合は種と茎を取り除いて与えましょう。
スイカ・メロンは「カリウム」が豊富に含まれるため、腎臓病の猫には注意が必要です。適量を守って与えてください。
梨は果肉が硬いので、小さく刻んで与えるか、柔らかくするなどの工夫が必要です。のどに詰まらないように注意してください。
パイナップルはたんぱく質分解酵素の働きによって、舌がヒリヒリすることがありますので、与える際は注意が必要です。
バナナはカロリーが高いため、過剰摂取には注意が必要です。与える際は適量を守ってください。
桃の果肉部分は大丈夫ですが、種は中毒のリスクがあるため与えないようにしましょう。

魚介類・海藻
猫といえば魚!というイメージを持つ方も多いですが、与える際には注意が必要です。以下の判定基準で魚の種類を見ていきましょう。
絶対に与えてはいけない食材
・エビ(生)
・イカ(生)
・カニ(生)
・貝類(生) ・タコ(生) これらの生の魚介類は与えてはいけません。消化器官に負担をかける可能性があります。
エビ(生)、イカ(生)、タコ(生)、カニ(生)は、ビタミンB₁を分解するチアミナーゼ酵素を含んでいます。これを摂取すると、ビタミンB₁欠乏症を引き起こす可能性があり、足の力が入らないなどの症状が現れます。重度の場合は意識障害なども発生することがあります。適切な量は具体的には不明ですが、基本的には生の魚介類を与えない方が良いでしょう。淡水魚や海水魚にも少量のチアミナーゼが含まれている場合があるため、加熱してから与えることをおすすめします。
貝類(あさり、ハマグリ、アワビなど)にもチアミナーゼが多く含まれています。これを摂取すると、猫は中毒症状を起こす可能性があります。さらに、アワビやサザエにはピロフェオホルバイドαという有毒成分も含まれています。この成分は加熱しても毒性がなくならず、食べた後に日光に当たると皮膚炎を引き起こすことがあります。そのため、生でも加熱しても与えてはいけません。
与え方には注意が必要な食材
・アジ
・イワシ
・サバ
・サンマ
・カツオ
・わかめ
これらの食材は与える際には注意が必要です。消化に負担をかけることがあるので、適量を守って与えましょう。
魚の骨には十分に注意が必要です。
アジ・イワシ・サバ・サンマなどの青魚は、「アニサキス」という寄生虫が存在しやすく、猫に害を及ぼす恐れがあります。また、これらの青魚には多くの「不飽和脂肪酸」が含まれており、摂取量が多いと黄色脂肪症になる可能性があります。与える場合は、茹でてほぐしたものを、少量に留めてください。
カツオも同様に、「不飽和脂肪酸」が多く含まれており、黄色脂肪症のリスクがあります。与える場合は、刺身の半切れ程度を月に1回程度の頻度にとどめましょう。
わかめには「カルシウム」などのミネラルが含まれていますが、櫃尿器系の病気にかかったことがある猫には与えないでください。与える場合は、必ず塩抜きを行ってから与えるようにしてください。
健康な猫であれば安全な食材
・カンパチ
・サケ ・タイ
・マグロ
これらの魚は健康な猫であれば安全です。ただし、与え方や分量には気を付けてください。
カンパチとサケは、たんぱく質が豊富で栄養価が高いです。与える場合は、新鮮なものであれば刺身で半切れ程度にしましょう。
タイは脂肪分が少なく、ヘルシーな魚です。安心して与えられます。
ただし、マグロのトロは脂肪分が多いため、与える際には避けましょう。別の部位を選んでください。

お肉
猫は本来肉食動物なので、牛肉や鶏肉(ささみ)、豚肉などのお肉を与えても大丈夫です。ただし、注意点があります。必ず茹でてから与えるようにしましょう。生のお肉を与えると、下痢などの消化器のトラブルを引き起こす可能性があります。特に豚肉は、トキソプラズマという原虫感染症のリスクもあるため、十分に加熱してから与えるようにしましょう。
また、牛肉や豚肉の脂身は控えるようにしましょう。脂身は消化に時間がかかり、消化器の負担を増やす可能性があります。健康な猫であっても、適切な与え方を心がけてください。
炭水化物
猫にとって炭水化物は以下のように評価されます。
与える際には注意が必要
・そば
・パン
そば 猫にアレルギーを引き起こすことがあるため、食べさせた後は様子を見ましょう。アレルギー反応がなければ、少量でも大丈夫です。
パン 炭水化物が過剰に含まれており、与えすぎると糖尿病のリスクが高まります。
健康な猫にとって問題ありません
・米
・そうめん
・餅
米 生のままでは消化不良を起こす可能性があります。炊いた状態で与え、小さじ1杯程度に留めましょう。
そうめん 麺には油や塩分が含まれますが、茹でた後に水洗いすれば問題ありません。与える際は1本分(20cm)を2㎝程度に切ってから提供しましょう。
餅 のどに詰まるリスクがあるため、焼いたり茹でたりしてから、米粒程度に小さく切って与えるようにしましょう。
猫にとって炭水化物は、その種類や与え方によって異なる影響を及ぼすことがあります。特にそばやパンは、消化に負担をかける可能性があるため与える際には注意が必要です。一方、米やそうめん、餅などは健康な猫にとって問題ありません。
乳製品
猫にとって乳製品は以下のように評価されます。
与える際には注意が必要
牛乳(人用)・生クリーム 乳糖を分解する酵素が少ない猫は下痢を引き起こす可能性があるため、与える際は様子を見ながら少量に留めましょう。
チーズ(カッテージチーズ) チーズは塩分が多いので、与える際は塩分が少なく、消化に良いたんぱく質が含まれるカッテージチーズを選びましょう。
健康な猫にとって問題ありません
コーヒー用ミルク 乳糖不耐症のリスクがない限り、問題ありません。コーヒー用ミルクは植物性のミルクなら少量であれば問題ありませんが、乳糖不耐症の猫には注意が必要です。
ヨーグルトの消化に良い乳酸菌が含まれているため、健康な猫には与えても問題ありません。ヨーグルトは適量を守ることが重要です。与え過ぎると下痢の原因になる可能性があります。また、脂肪分も含まれているため、肥満気味の猫には控えましょう。
加工食品
絶対に与えてはいけない食材
・キシリトール(甘味料)
・ピーナッツ
・チョコレート
・ココア
キシリトール(甘味料)は低血糖や肝障害を引き起こす可能性があるため、絶対に与えてはいけません。
ピーナッツは窒息や消化不良、下痢や嘔吐の原因になる可能性があるため、与えてはいけません。
チョコレート・ココアはテオブロミン中毒の危険性があるため、与えてはいけません。
与える際には注意が必要
・あんこ ・かつおぶし
・かにかま ・ツナ ・豆腐 ・煮干し
・のり ・ハム
あんこや粒あんは消化が難しいため、こしあんにして少量与えてください。また、砂糖や塩分にも注意が必要です。
かつおぶし・のりはミネラルが豊富で尿石症のリスクがあるため、与えすぎないように注意してください。
かにかまは塩分が多く含まれているため、過剰摂取には注意が必要です。ツナ 塩分や脂肪が多いため、控えめに与えてください。豆腐・にぼし・のり・ハム 適量を守り、与え過ぎには注意してください。
健康な猫にとって問題ありません
・ ゼリー(ゼラチン) ゼリー(ゼラチン)は砂糖不使用のゼリーであれば問題ありません。与える際は食べやすく潰して与えるようにしましょう。
飲み物
絶対に与えてはいけない食材
・緑茶
・コーヒー
・紅茶 ・酒(アルコール)
緑茶・コーヒー・紅茶 これらの飲み物に含まれるカフェインは、猫にとって有害で、中毒や神経症状、心臓の異常を引き起こす可能性があります。
酒(アルコール) アルコールは猫の体にとって非常に危険であり、脳や体の細胞を破壊する恐れがあるため、絶対に与えないでください。
与える際には注意が必要
・ミネラルウォーター
・麦茶
ミネラルウォーター 適量の軟水であれば問題ありませんが、硬水は多くのミネラルを含むため、泌尿器系の病気がある猫には与えないでください。
麦茶 大麦に含まれるミネラルが尿石症の原因になる可能性があるため、尿石症の歴史がある猫には注意して与えてください。
猫がNGな食べ物を誤って摂取した場合の対処法をご紹介します。
万が一、猫がNGな食べ物を口にしてしまった場合は、冷静に状況を把握しましょう。摂取したものや量によって対処法が異なるため、速やかに動物病院に連絡し、状況を説明して適切な指示を仰ぎましょう。自己判断せずに専門家に相談することが大切です。
今日からできる対策方法
・キッチンやテーブルに食材を出しっぱなしにしない 食材や調味料などは猫の届かない場所に保管しましょう。冷蔵庫やキッチンの収納スペースにすぐしまう習慣を身につけましょう。
・生ゴミはすぐにフタ付きのゴミ箱に 調理後の生ごみは、猫が開けられないようなフタのついたゴミ箱に迅速に捨てましょう。
・人の食事前に猫にフードを与える 人間の食事を求める猫を避けるために、食事の前に猫に適切なフードを与えましょう。
・食事中は猫を別の部屋に移動させる 食事中は猫を別の部屋に移動させることで、食卓周りを整えることができます。食事の前後には遊びやご褒美も忘れずに。

まとめ
わが子である愛猫に美味しいものを与えたい気持ちはよくわかりますが、人間と猫は栄養や体の構造が異なるため、人間の食べ物を与えることは避けるべきです。もし与える場合は、正しい知識を持って慎重に与えるようにしましょう。誤って危険な食べ物を与えないように日々気を配ることも大切です。病気になってしまった際にも安心な治療を受けられるよう、健康診断を毎年受診することです。普段から通い慣れている病院だと安心ですね。
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