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株式会社Cinnamil 動物理学リハビリ国際協会APRIA


株式会社Cinnamil 動物理学リハビリ国際協会APRIA PETLIF


株式会社Cinnamil 動物理学リハビリ国際協会APRIAの設立日と始めたきっかけを教えてください。


岸本さん:株式会社Cinnamilと動物理学リハビリ国際協会APRIAは、それぞれ2022年1月に設立されました。

動物のリハビリテーションは、欧米では一般的ですが、日本ではまだ普及が進んでいない分野です。動物のリハビリを欧米のように日常的に受けられる環境を整えたいという思いから設立を決意しました。しかしながら、日本国内ではリハビリを提供している動物病院が少なく、リハビリを実施できる専門家も限られている現状があります。

そのため、リハビリ技術を持つ専門家の育成と動物のリハビリテーションに関する認知度の向上を目指して活動しています。協会設立後、セミナーや研修を通じてリハビリの普及活動を開始し、動物の健康と福祉向上に貢献することを目指しています。



動物の専門学校など含めてどのくらい働いてますか。また、現在はどのようなお仕事をされていますか。


岸本さん:現在は、主に動物リハビリの普及を目指したセミナー活動を中心に行っています。協会では、リハビリの資格取得を目指す方々を対象に、座学や実習の講座を提供し、動物のリハビリテーションについての基本的な知識や実践方法をお伝えしています。

セミナーは東京で月1~2回、大阪でも月1回程度開催されており、また地方でも定期的に実施しています。月全体では週に3日ほどの頻度で開催されることもあり、1ヶ月で10日以上のセミナーや実習が行われています。セミナーの内容や頻度にはばらつきもありますが、全国で動物リハビリテーションの普及を目指し、幅広い地域で講座を行っています。



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セミナーに来られるのは、どのような方が多いですか。


岸本さん:セミナーに参加される方々は、ほぼ業界関係者です。全体の約8割以上が、獣医師、動物看護師、ドッグトレーナー、トリマーなど、動物関連の専門職に従事している方々であり、一般の飼い主様は1割から2割程度です。また、セミナーには人のリハビリ関係の専門家も参加されることがあり、動物リハビリに対する幅広い関心を反映しています。

私自身は、元々病院で勤務しており、現在も大阪の病院で定期的に活動しています。また、神戸の病院にも定期的に訪れ、地方の病院からの依頼も受けてリハビリテーションを実施しています。日々忙しく活動されており、休暇を取ることは少ないですが、しっかりと調整をして活動を行っています。



今回、インタビューを引き受けていただいた理由。


岸本さん:インタビューを引き受けた理由として、私が活動を始めてもうすぐ2年になりますが、動物リハビリの認知度が徐々に広がってきていると感じています。ただ、動物業界内での認知度はある程度上がってきたものの、一般の方々にはまだ十分に浸透していないと感じる場面が多いです。例えば、動物病院で患者さんとお話していると、『動物のリハビリという分野があること自体を知らなかった』という声をいただくことも多いです。そこで、少しでも動物リハビリについて知ってもらい、目に触れる機会を増やしていきたいという思いから、今回のインタビューをお受けしました。



株式会社Cinnamil 動物理学リハビリ国際協会APRIA PETLIF


動物リハビリのセミナーや活動を通じて感じたことはありますか。


岸本さん:動物リハビリのセミナーや活動を通じて、多くの方々と繋がりが増えたことは、とても良い経験となっています。特に、地方の病院から『リハビリを提供してほしい』とお声をいただくことが増え、リハビリの重要性が少しずつ広がっていると実感しています。また、リハビリ以外にもフィットネスなど、動物の健康をサポートする別分野へのニーズも感じています。セミナーでの出会いがきっかけで、リハビリ以外の健康管理サポート、例えばフィットネスの指導を依頼されることもあり、人脈や業務の幅が広がっているのを実感しています。


現在は大阪で定期的にフィットネススタジオを運営していますが、特に東京でも需要が多いため、現地のトリミングサロン様でイベント形式のフィットネスセッションも行っています。最近では東京で月1回程度のフィットネスイベントも開始し、より多くの方に動物の健康管理に関するサービスを提供できるよう取り組んでいます。



ペットオーナーとのコミュニケーションで特に大切にしていることは何ですか。


岸本さん:オーナー様とのコミュニケーションで特に大切にしているのは、日常生活の中で無理なくフィットネスやリハビリを取り入れてもらうことです。ワンちゃんは自分で運動量を管理するのが難しいため、飼い主様の協力が欠かせません。日々忙しい飼い主様の負担を減らすため、例えば食事前に1日5分だけ運動してもらうなど、日常の習慣にリハビリや運動を組み込めるよう心がけています。散歩の前後に簡単なエクササイズを提案することもあります。

協会の運営では、多くの獣医師や動物関連の専門家にご協力をいただいています。リハビリやフィットネスの知識を広めるためには、各方面の専門家との意見交換や連携が非常に重要です。セミナー内容の構築や病院との連携についても、協賛いただいている獣医師や理学療法士、動物関連事業者の方々のご意見を参考にしています。こうした専門家とのつながりにより、セミナーの評判が口コミで広がり、業界のブランドとしても評価を得ることができました。


その方々との出会いの経緯はさまざまですが、私自身が臨床経験を積んでいた際にお話させていただいた先生方には、『動物のリハビリを広めたい』という想いをずっと伝えていました。いざ協会を立ち上げるとなった際に、改めて以前から話していた先生方に協力をお願いし、ご支援をいただくことができました。

ホームページでもご覧いただけるように、多くの方々が関わってくださっています。例えば教会事務局に日本ペットマッサージ協会など様々な分野で活動されている方がいらっしゃるのですが、そういった方々との繋がりも大きな力になっていますね。



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岸本さんが尊敬しているペット業界の方、施設はありますでしょうか。


岸本さん:そうですね、私が最も尊敬しているのは、以前勤務していた大阪の2次診療の病院の院長です。その病院は関西でも大規模で、整形外科やスポーツ科、リハビリテーション科がある病院で、私もリハビリテーション科に所属して臨床経験を積ませていただきました。院長先生は非常に優れた医療知識を持つ方であり、関西でも有名な先生です。先生の素晴らしいところは、医療が常に進化するものだという考えを持ち、学び続ける姿勢を大切にしている点です。

院長先生は、教える立場になっても自己研鑽を怠らず、常に知識をアップデートしていく重要性を強調していました。なぜなら、教えを受けた方が新しい知識でさらに進化する可能性があるためです。また、医療の分野であれば、欧米の最新の技術や知識を積極的に取り入れることが求められると考えていました。特に人医療は動物医療よりも発展が進んでおり、そこから学ぶことが多いとのことでした。

私自身もセミナー活動をしていますが、この院長先生の教えを胸に、常に新しい知識を取り入れ、授業や活動に活かしていきたいと心がけています。



動物リハビリテーションやペット業界をより良くしていくために、どんなことが必要だと思われますか。


岸本さん:動物のリハビリテーションをより良くしていくために、まず認知度を高める必要があると感じています。日本では、リハビリテーションという言葉の意味を正しく理解している人が少なく、特に医療従事者以外の一般の方にとってはまだ馴染みの薄い概念です。リハビリという言葉自体がカタカナで伝わるため、飼い主さんから『リハビリの意味は?』『理学療法との違いは?』と質問されることも多く、リハビリが単に歩行訓練であると誤解されがちです。こうした認識不足を埋めることが、動物リハビリを浸透させるための第一歩だと考えています。

一方で、日本が欧米よりも進んでいると感じるのは、高齢期のリハビリに対する意識です。欧米では安楽死の考え方が日本とは異なるため、高齢期の動物のリハビリがあまり発展していませんが、日本では『できる限り健康で長く生きてほしい』という考えが根付いています。このため、犬の介護やシニア犬へのリハビリが積極的に行われており、人間の医療から学んだ技術も応用されています。こうした高齢期リハビリの分野で、日本は欧米に先駆けて優位に立っていると感じます。



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動物リハビリテーションの重要性について。


岸本さん:リハビリテーションという言葉の意味が一般に理解されていないことが課題だと感じます。医療業界においても『リハビリ』という言葉が単に病気や怪我の治療に限らず、再び適切な状態に戻す行為全般を指すことが理解されていない場合が多いです。例えば、刑務所で社会復帰に向けた訓練を行うことや、リストラを受けた人が再就職を目指すこともリハビリと捉えられます。このようにリハビリテーションは教育的な意味も含み、医療現場だけで行うものではないのです。

動物のリハビリに関しても、例えば交通事故で骨折した犬が治療を終えた後、外に出ると怖がって歩けなくなった場合、この恐怖を和らげ再び散歩できるようにすることもリハビリです。これは病院だけでなく、ドッグトレーナーなどが関与できる範囲のリハビリでもあります。

一方、理学療法は病気や怪我の治療のために行うリハビリや運動を指し、医療行為として病院で行うことが多い分野です。この違いを明確にし、リハビリテーションの意味を多様なジャンルで理解してもらえれば、動物リハビリの発展にも繋がるのではないかと思います。人医療や老人ホーム、刑務所のリハビリと同様、動物リハビリにもその特性に応じたリハビリのあり方を浸透させたいですね。



動物リハビリへのサポートメンバー、ホームページ、SNSでの活動についてお聞かせください。


岸本さん:協会での従業員についてですが、正規の従業員は特におらず、皆さんは他の職業を持ちながら協会の活動に参加してくださっています。私の会社自体では従業員を雇用しておらず、協力していただいている方々もパートやアルバイトでのサポートが主な形です。年齢層は幅広く、20代から30代、40代の方々が多く在籍しており、皆さん共通して動物が好きで、動物リハビリに関心を持ってくださっているのが特徴です。


また、インスタグラムやTikTokでリール動画を配信しています。内容によりますが、リールは週に3回程度、フィードの投稿は毎日または2日に1回の頻度で更新しています。また、ストーリーも1日に2~3回更新し、SNSを積極的に活用しています。多くの方に見ていただいており、リールの再生数も徐々に上がってきています。

当協会のセミナーは、資格取得を目指す方に向けて行っており、リピーターよりも新規の参加者が多く、全体の約9割が新規の方です。資格取得を目的として参加される方が多いため、毎回新たな方々にお越しいただいています。



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協会として今後の活動目標はありますか。


岸本さん:協会として今後の活動目標として掲げているのは、動物リハビリの認知度拡大です。一般の方にもリハビリについてもっと知っていただきたいですし、リハビリができる人材を全国で増やしていきたいと考えています。現在、東京や大阪などの首都圏で受講生が多い状況ですが、地方の方もセミナーに参加してくださっており、地方にもリハビリができる動物病院や施設が広がるよう努めています。最終的には、資格を取得した方が全国各地で動物リハビリを実施できる環境づくりを目指しています。


また、専門学校に通う学生さんにもリハビリの魅力を伝えたいと考えています。リハビリは特定のリハビリ専門病院でなくても、小規模の病院や個人の動物病院でも行えます。例えば、人の理学療法士がフィットネスジムや介護施設、パーソナルトレーナーとして働いているように、動物リハビリも小規模の病院やドッグトレーニング、トリミングサロン、介護施設などさまざまな場所で活用できるスキルです。どのような職場でも役立てることができる点が、動物リハビリの魅力ですね。



ペットリハビリの予防ケアについて。


岸本さん:一般の飼い主様に向けてお伝えしたいのは、リハビリは病気になってから行うものだけでなく、そもそも病気を予防するためにも大切な役割を担っているということです。病気にならないよう日々の運動やケアを取り入れることもリハビリの一部で、こうした予防の意識を持つことが、飼い主様にこそ求められます。動物病院では、病気になってからしかアプローチできないことが多いですが、飼い主様が日々の健康チェックや予防ケアをしていただけることで、愛犬の健康を守る力がさらに強まります。

犬は自分の不調を言葉で伝えることができないため、最も身近にいる飼い主様が健康の変化に気づき、適切なケアを施すことが重要です。ぜひ飼い主様にも、愛犬の『パーソナルトレーナー』のような存在になっていただき、日常のケアで予防の知識を高めていただければと願っています。



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ペットのリハビリ器具について教えてください。


岸本さん:ペットのリハビリに使用する器具についてご説明します。まず、人のバランスボールと違い、動物用のリハビリ器具にはさまざまな形状や機能があります。例えば、人はバランスボールに乗って運動することで筋肉を鍛えたり、バランスを取ったりしますが、犬の場合は人と同じように言葉で指示を出して運動をさせることが難しいため、形状や機能が異なる器具を用いて運動を引き出す工夫が必要です。


当協会では約20種類のリハビリ器具を使用しています。これらの器具は、例えばある方向にのみ揺れるもの、球形や円盤型などさまざまな形があり、各器具の特性に合わせて運動させることで、犬の体に特定の筋肉や動きを引き出す効果が期待できます。また、バランスボールだけでなく、ホットパックやサプリメントなども併用して、犬の健康維持をサポートしています。

リハビリのポイントは、人が犬をうまく誘導することで細かい動作を引き出し、犬の個々の筋肉を鍛えられるように工夫することです。私たちの協会では、セミナーを通じて『犬でも人と同様に適切な運動やリハビリが可能である』という考え方を広めており、動物用の器具を活用してリハビリをサポートしています。


また、こちらの製品はすべて一般向けに販売しております。ホームページや一部のペットショップでも取り扱っており、全国に卸している店舗にも置かれている場合が多いです。

売上に関しては、セミナーの収益が一番多く、その次に物販の売上が続いています。物販では、特にバランスボールなどが人気で、セミナーを受けた方が実際に自宅でリハビリやフィットネスを行うために購入してくださっています。また、SNSでの発信も大きく影響しており、特にリール動画が1万再生以上になると、商品への注文が増える傾向にあります。SNSでの口コミやユーザーが写真や動画をシェアしてくれることでさらに広まっていきますね。


製品は、バランスボールを人間用に製造しているメーカーと協力して開発しており、耐荷重や素材の強度を動物に適した仕様に改良しています。犬はどうしても飛び乗ったり爪が当たったりするため、厚みを持たせて耐久性を強化し、大型犬が使用しても問題ないようにしています。耐荷重は350kg前後で、小型犬から大型犬まで幅広く対応できる設計です。

バランスボールを使ったトレーニングは、固有受容感覚を鍛える目的で行います。筋力トレーニングとは異なり、犬の身体のバランス感覚や反応速度を高めるために使われます。私の得意分野は特に元気な犬のフィットネストレーニングで、SNSでもフィットネス関連の内容を多く発信しています。そのため、元気な犬の飼い主さんからの相談や症例も多くいただいています。



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どういった症例が多いのでしょうか。


岸本さん:一番多いのは、特に疾患があるわけではないけれども、年齢を重ねるにつれて人と同じように足が上がりにくくなったり、運動機能が衰えてきたりする子ですね。そうした症状の改善を希望される方が多いです。その子ごとに様々な状態が見られるため、動作を見ながら膝が曲がりにくい、関節が十分に伸びていないなどの問題点を把握し、それに合わせて運動指導を行っています。このアプローチが口コミで広がり、非常に評判が良いと感じています。


支えになっているものとしては、やはり自分の活動が広がっている実感を得られることが大きいですね。SNSを通じて、うちで資格を取った方々が活動を広げている様子を目にすることができますし、彼らが発信している内容やリハビリ用品を使ってくださる姿を見ると、実際に広まっていることが目に見えてわかります。これは大きな支えになりますし、私にとってのやる気の原動力でもあります。

病院で働いていたときも、患者さんが良くなって感謝されることが原動力でしたが、同時に動物のリハビリというものを広めたいという想いが強くありました。その願いが実現しているのを実感できることが、今の活動を続ける大きなエネルギーとなっています。



雑談になります。今後やっていきたいスポーツはありますか。また、好きな食べ物はありますか。


岸本さん:実はテニスを少しやってみたいとは思っています。私自身、学生時代にはスポーツをしていましたが、現在はほとんどやっていません。ちなみに、かつては競技スキーをしていたのですが、今は忙しくて全く行けていない状況です。以前はスキーにも頻繁に行けたのですが、現在は時間が取れず、全然できていません。


食べ物は結構好きですね。毎月、東京や地方に出張があるので、その際に各地のグルメも楽しんでいます。麺類が好きで、特にラーメンもよく食べます。地域によって味が異なるので、出張の際は評判のラーメン店を探して行くことも多いですね。また、スイーツも大好きで、インスタ映えするカフェやスイーツ店もよく訪れています。最近はSNS、特Instagramでお店を調べるのが一番便利ですね。



施設情報


株式会社Cinnamil

〒558-0044 大阪府大阪市住吉区長峡町6-10-3階


動物理学リハビリ国際協会APRIA

162-0042 東京都新宿区早稲田町83 SOビル 2F


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