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みどりシニアペットクリニック


みどりシニアペットクリニック PETLIF


自己紹介をお願いします。


院長 みとめさん:みとめみどりと申します。北里大学を卒業後、横浜市内の動物病院で6年間、さらに動物園で7年間勤務しました。その後、愛犬の死がきっかけで日本獣医中医薬学院に進み、お灸や鍼灸推拿(すいな)の専門知識を習得しました。鍼灸を学ぶ獣医中医学(中獣医学)本科と鍼灸推拿研究科を修了した後は、ペット栄養管理士として栄養学を学びました。また、人の分子栄養学にも興味を持ち、PNTトレーナー資格や分子栄養学認定医の資格も取得しました。これらを組み合わせて、ペットと飼い主さんの心身を総合的にサポートしています。

趣味は自然の中で体を動かすことで、山登りやヨガが好きです。今年は10年ぶりにスキーにも挑戦しました。好きな食べ物はマンゴーで、行きたい場所は南米のメキシコ。特に「死者の祭り」に興味があり、その独特な文化に惹かれています。



今回、インタビューを受けてくださった理由をお聞かせください。


院長 みとめさん:一般的な動物病院は西洋医学をベースとして、ペットの病気だけを見ることが目的です。しかし、私の活動は一般的な動物病院とは少し違い、お灸東洋医学や栄養学、さらに飼い主さんの心身ケアも含めた総合的なアプローチを取っています。ペットの体質改善や飼い主さんとペットとの関係がより良好に過ごせるには、かかせない分野だと思っています。

ただ、こうした方法はまだ広く知られていない部分もあるので、必要とされる方々に届けばと思い、このインタビューをお受けしました。飼い主さんとペットの双方が健康で幸せになれるよう、一人でも多くの方にこの取り組みを知っていただきたいですね。



みどりシニアペットクリニック PETLIF


みどりシニアペットクリニックの設立日と名前の理由、東洋医学を学ぼうと思った動機をお聞かせください。


院長 みとめさん:当院は2022年4月4日に設立しました。名前についてよく「シニアしか診ないんですか?」と聞かれますが、そんなことはありません。私はシニア犬が特に好きなので、その気持ちを込めて「シニアペットクリニック」と名付けました。

獣医師になって西洋医学を学び、横浜市内の動物病院や動物園で経験を積みましたが、愛犬が病気で亡くなったときに西洋医学だけでは限界を感じたことをきっかけに、日本獣医中医薬学院で中医学を学び、鍼灸や栄養学を取り入れた医療を提供する病院を開設しました。

動物病院や動物園勤務時代に多くの経験を積みましたが、愛犬を亡くしたことで「もっと飼い主さんに寄り添った医療を提供したい」と考えるようになり、現在の道を歩むことになりました。



今後、どのように東洋医学を広く伝えていこうとお考えですか。


院長 みとめさん:東洋医学を扱っている獣医師の方は、おそらくそんなに多くないんじゃないかなと思っていて、最先端かはわかりませんが、マニアックなところには入っているますね。診察には主に東洋医学が主軸で、栄養学とあと解剖学をベースにした整体も取り入れながらやっています。

東洋医学はとても奥深い学問なので、まだまだ私も勉強途中なのですが、東洋医学と栄養学っていうコラボレーションがとても相性がいいんです。結構東洋医学って「エビデンスがないじゃないか」とか「怪しい」と感じられてしまう方も多いんですけど、そこにエビデンスのある栄養学とか普通の治療を組み合わせて、東洋医学もとてもいいものだよっていうことを伝えていけるように、セミナーや講座を作っていきたいなと思っています。



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獣医師になろうと思ったきっかけについてお聞かせください。


院長 みとめさん:獣医師を目指したきっかけは、小学校6年生のとき、飼っていたインコが高い場所から落ちて助けられなかった経験です。その悲しみから、動物を救いたいと思うようになりました。その気持ちが大前提ではありますが、生物学への強い興味が私を獣医師という道へ導いた大きな要因でした。細胞の働きや分子構造、生化学や生理学、解剖学などに深い魅力を感じていて、学ぶほどにその奥深さに引き込まれました。例えば、筋肉の構造やDNAの螺旋構造の美しさや、3大栄養素やビタミンやミネラルなどの分子の働きによる活性化などを知ると、もっと知りたいという探究心が湧いてきたんです。生命の仕組みそのものに魅了されていった結果、獣医師という仕事にたどり着いたという感じですね。


さらに、昨年の秋頃からは整体学にも関心を持つようになり、今ではこの分野がとても楽しくなっています。犬の骨格や筋肉のつくりを学び、それがどのように動きや姿勢に影響を与えるのかを研究することが、実際の施術にもつながっています。整体を学び始めてからは「体って本当にすごいな」と実感することが多くなり、施術後に犬の動きが変わるのを見ると、その影響の大きさに驚かされますね。



先生はどのように施術を行っているのでしょうか。


院長 みとめさん:私は特別な器具を使用せず、基本的に手技を中心に施術を行っています。犬の体は四脚で支えているため、体幹を支える足に負担がかかりやすくなっています。そのため、全身のケアを考える際も、足の筋肉へのアプローチを重視することが重要です。手を使った施術は、機械を使う場合と比べてすぐに始められて、特別な準備も不要なので飼い主さん自身が愛犬に施術できる点でも大きなメリットがあります。

実際の診療では、筋肉や骨格の模型、3Dアプリを活用しながら飼い主さんに説明しています。例えば「この筋肉は特に凝りやすいですよ」と伝えて実際に触れてもらうことで、「なるほど、ここですね!」と、どの部分にアプローチすれば良いのか伝わりやすくなりますし、非常に分かりやすいと好評をいただいています。



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フィットネス器具を扱う施術と、先生の施術はどう違いますか。


院長 みとめさん:私も領域が違うのであまり詳しくはありませんが、フィットネス器具を使用する施術は、主にリハビリの分野に該当します。例えば、ヘルニアなどで腰を痛めたワンちゃんに対し、特定の筋肉を鍛えることで回復を促す目的でトレーニングを行います。

目的は、体幹を安定させたり、姿勢を改善することは、犬自身が動いて整える方法です。一方で、整体は犬ではなく人の手で硬くなった筋肉をほぐす手技です。これは犬が硬くなった筋肉を一人でマッサージすることはできません。筋肉は、縮むことしかできません。硬く縮んだ筋肉は、人の手でほぐすことが必要です。整体は犬自らが動かなくても、寝転がった状態でできるので、寝たきりの子でもできます。そこが大きく違いますね。


私が行っている整体は予防や日常のケアを目的としていて、専門家でなく飼い主さんでも誰でも簡単に実践できます。リハビリでは筋肉を回復させたり、衰えを防ぐために専門的なトレーニングが行われるのですが、整体では筋肉の緊張をほぐして体のバランスを整えることが中心になります。そのため「専門的な器具を使わなくても、効果的な方法がある」というスタンスで施術を行っています。



どのような怪我や症状を診ることが多いのでしょうか。


院長 みとめさん:怪我の治療はほとんどなく、緊急性のある症例は受け付けていません。来院するのは、主に認知症のワンちゃんや、通常の薬では発作が治まらない子、一般の動物病院では特に他にやりようがない子などが悪い子が多いですね。「動物病院に通ってもなかなか良くならない、どうしたらいいでしょうか」という相談が多く、年齢層も比較的高めです。ただ、整体に関しては1歳くらいの若い子も来ます。実際、1歳でもすでに体が凝っていることがあるんですよ。


以前、ペットイベントで整体を行ったときは、予想以上の反響がありました。そのときは7ヶ月の子も来ていましたね。最近では、愛犬の後ろ足に触ると嫌がって噛む、と飼い主さんが仰っていた子に整体を行ったところ、施術後には噛まなくなったというケースがありました。また「がに股だった子が、整体後には普通の歩き方になった!」と驚かれる飼い主さんもいました。これがきっかけで整体のリピーターになってくださる方も多いですね。


マッサージのポイントは、強く押さずに、硬い部分をゆっくりほぐしていくこと。いきなり力を入れると嫌がってしまうので、最初は「触っているかどうかわからないくらいの力加減」で始めるのが大事です。年齢によっても反応は違いますが、続けていくと徐々にほぐれてきます。特に後ろ足は動物にとって敏感な部分なので、最初は嫌がる子も多いですが、施術を続けると、よだれを垂らして寝てしまったり、体を委ねてくる子もいますね。



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どのような道具や手順でお灸をされているのでしょうか。


院長 みとめさん:お灸には「もぐさ」を使い、針はとても細いものを使用します。施術の流れとしては、まずツボにシールを貼り、有効成分を含む軟膏を塗った上で、お灸を置いていきます。お灸は基本的に背中に行います。背骨にはすべての臓器に対応するツボが集まっているため、胃腸が弱い子にはお腹のお灸をすることもあります。ただ、お腹に使う場合は背中用の道具では難しいため、「大竹さん」という竹製のお灸を使用します。これは日本獣医中医薬学院の学院長が竹を切って手作りしているもので、すごく評判がいいですね。

「大竹さん」は、直接もぐさを入れて使用するため煙が多く出ますが、その分しっかりと熱が伝わります。特に緊張している子には、最初にこのお灸で温めることで、リラックスしてもらってから施術を進めることもありますね。ただ、胸や肋骨の前側をやりすぎると、熱が上にこもってしまって灸あたりという湯あたりのような症状が出ることがあるので、基本的には肋骨から下のエリアを中心に施術します。


お灸の後は、ほとんどの子が落ち着きます。飼い主さんの中には「他の動物病院では羽交い締めにしないと施術できなかった」と仰られる方や、家族以外に慣れない子が施術中にゴローンとなってスムーズに施術ができたこともあります。動物への負担が少ないので、リラックスしてくれている姿を見ると「本当にこの治療をやっていてよかったな」と思いますね。



施術に使用される道具を購入することは可能ですか。


院長 みとめさん:往診やカウンセリングを行っている飼い主さんには販売可能です。

道具とは少し異なりますが、「真菰(まこも)クッキー」も往診先でとても好評なんです。これは人も食べられるクッキーで、蜂蜜や米粉、卵などで作られていて、お腹に良い菌も含まれています。飼い主さんの中には「私も一緒に食べています」と言う方も多いですよ。往診に持っていくと、ワンちゃんや猫ちゃんが「もっとちょうだい!」と催促してくることが多いです。クッキーにはハードタイプとソフトタイプがあり、ハードタイプは若い子がガリガリと噛んで食べるのに向いていて、ソフトタイプは高齢の子にも食べやすいようになっています。どちらも一般販売はしておらず、病院でのみ購入可能です。


また、犬や猫のコラーゲン不足に対応するために、「マコラージェ」という商品もあります。これはマコモダケというイネ科の植物を発酵させたもので、コラーゲンと組み合わせることで、ワンちゃんや猫ちゃんの健康をサポートするものです。



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診療時間や休診日、予約方法などを教えてください。


院長 みとめさん:クリニックは土日祝がお休みです。往診も平日のみの10時から、もしくは13時からといった感じですね。

今は往診がメインなんですけど、その往診の枠がいっぱいになってしまっていて新規の予約を制限している状態なんです。診療とは別に、犬猫ホームドクター育成講座や施術会などを行っているのですが、講座生さんや参加生さんから優先的に往診の予約を受け付けています。空きがある時は、メルマガで募集します。


現在、3月にオープン予定のサロンを作ったので往診とは別に、そちらでも診ていければなと思っています。ただ住宅地なので吠える子だけちょっとNGになります。

施術会はInstagramなどでこの日にこの場所でやりますと告知して、ご連絡をいただいて予約をいただく感じなんですが、近々システム予約にしようと思っていて、そのシステムをちゃんと整えていきたいなと思います。


診療に関する料金はホームページに掲載の通りです。往診ですとどうしても距離があるほど往診代がかかってしまうのですが、お家から出られない怖がりさんや、高齢で病院に連れていくのも負担がかかってしまうという方にご利用いただくことが多いですね。

ワンちゃんと猫ちゃんの往診の比率としては、ワンちゃんが9割ぐらいでしょうか。



診療を行う中で、難しいと感じたことはありますか?


院長 みとめさん:やはり一番難しいのは、緊急性の高いケースですね。これはあまり話していいのか迷いますが、以前、施術中に亡くなってしまった子がいました。のちにその施術が原因ではなく、別のことが原因だったと判明したのですが、非常にショックでした。

こうしたケースがあると、本当に具合の悪い子には「何が起こるかわからない」ということを、改めて実感します。施術を行う前に同意書と事前のチェックは必ず行いますが、それでもすべてを事前に把握できるわけではありません。命が尽きるタイミングは誰にもわかりません。そのため、「どのタイミングで施術をするのが適切か」という判断は、非常に難しいですね。


また、どの動物病院の先生も同じ悩みを抱えていると思いますが、「死期を見定める」というのは本当に難しいです。ペットは、ある程度「自分の旅立つタイミング」を決めているように感じることもありますが、それでも治療中に亡くなるケースは、飼い主さんも想定していないことが多いです。そのため、本当に弱っている子に対しては「無理に治療するのではなく、おうちでゆっくり過ごさせてあげるのも大切ですよ」とお伝えすることもあります。ただ、その見極めをどう伝えるかは、非常に難しいですね。


ワンちゃんと猫ちゃんでは、病気のサインの出し方がまったく違います。ワンちゃんは「なんとかして!」と飼い主さんにアピールすることが多いですが、猫ちゃんは本能的に「自分で何とかしよう」とする傾向があります。そのため、猫ちゃんの異変に気づくのはワンちゃんよりも難しく、状態がかなり悪化してから診察に来ることも多いです。こうした違いも含め、診療の現場では常に慎重な判断が求められると感じています。



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このお仕事をしていて良かったなと感じる瞬間を教えてください。


院長 みとめさん:リラックスしたワンちゃんや猫ちゃんの姿がたまらなく私にとっての癒しになるので、それも仕事の喜びです。獣医師ってやっぱり自分が好きで学んできた知識がそのまま仕事として役に立っているところを目の当たりにすることができる仕事なんですよね。それがとてもやりがいに繋がっているなと感じています。



リピーターになるきっかけは何かあったりするんでしょうか。


院長 みとめさん:往診を頼まれる方は、ほとんどがお知り合いの紹介か、オンライン講座生さんです。あとは、分子栄養学カウンセラーなど別の仕事で以前から私と繋がりのある方からの依頼も多いです。そのままリピーターになってくださっています。


私は「次も必ず往診を呼んでください」とは自分からは言ったことはありません。飼い主さんには、ペットには主体的に関わってほしいので、決めるのは飼い主さんです。それに獣医師の言葉って、なかなか断りにくいものですよね。実際、「獣医さんにこう言われたから」と納得できないまま治療を続けている方もカウンセリングなどでよく耳にするご相談です。なので私は、「必要だったらまた声をかけてください」と伝えるだけ。ありがたいことに、それでもまた診てほしいと言っていただけるので、自分の持てる知識をしっかり説明し、飼い主さんに選んでもらえているのだと感じています。



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飼い主さんとはどのようにしてコミュニケーションを取っていますか。


院長 みとめさん:まず飼い主さんの表情や体の栄養状態を見ます。これは分子栄養学で学んできた知識が活かされています。爪や顔色、肌の状態などをチェックして、「この人にはどこまで話せるかな」と判断しますね。人によっては、今こちらが伝えたいことを全てお話するのは難しいかもしれないと感じることもあるので、無理なく受け取れる範囲でお話しをします。

何よりも大事なのは、飼い主さんに安心してもらうこと。不安を一つずつ潰していくのが私のやり方です。例えば、低血糖気味の方や鉄分が不足していそうな方には、慎重に言葉を選びながら「こういうところ、不安ではないですか?」と声をかけます。難しい言葉は使わずに。情報が多すぎないように伝わりやすい言葉を選びます。

治療を進める際もいきなり処置をするのではなく、必ず「こういうことをしてもいいですか?」と確認を取ります。ワンちゃんや猫ちゃんを触るときも、「触るね」と声をかけてから触れるようにしています。そうすると、飼い主さんも「この先生なら大丈夫」と安心してくれるんです。実際、飼い主さんが不安な状態だと、その気持ちは確実にペットに伝わってしまいます。だからこそ、まず飼い主さんに安心していただくことが何よりも重要ですね。


初診では、しっかりと信頼関係を築くために2時間ほどかかります。最初の30分ほどは、いきなり診察に移るのではなく、まず飼い主さんと会話をして「この先生は信頼できそう」と思ってもらうよう心がけています。

2回目以降の診療でも、だいたい1時間半くらいかかります。移動時間も考慮すると、1日に対応できるのは2件が限界ですね。でも1件目で何があるかわからないので、なるべく1件ご依頼があったらそのあとは空けておいて、余裕を持たせるようにはしています。



業界をより良くするために、どのようなことが必要だと思いますか。


院長 みとめさん:私が獣医学部にいたときは、牛や馬の家畜の臨床や犬猫は西洋医学を主に学ぶだけで、ペットの臨床に活かせる栄養学や東洋医学を学ぶ機会はほぼありませんでした。栄養学や東洋医学を学ぶかどうかは、開業や就職してからの個々の獣医さん次第になっているのが現状ですね。唯一、日本獣医中医薬学院の山内校長が酪農学園大学で東洋医学を教えているそうですが、これはかなり珍しいケースです。基本的に、獣医師として働き始めてから、自分で学ぶしかないんですよね。


私自身は、現在飼い主さん向けに講座を開いていますが、今後は獣医師向けのオンライン講座も展開したいと考えています。栄養学や東洋医学の良さをもっと知ってもらえれば、診療の幅も広がるはずです。

今年は飼い主さん向けの講座をいくつか開催予定ですが、来年以降は獣医師向けにも東洋医学や栄養学の知識を深めるための講座をやりたいですね。こういう内容が獣医大学のカリキュラムに組み込まれれば、飼い主さんも含めて業界全体がもっと良くなるのになと思います。



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現在、SNSなどはされていますか。


院長 みとめさん:獣医師としてメインで発信を行っているのはInstagramで、XとFacebookも運用しています。



尊敬している方やペット関連施設はありますか。


院長 みとめさん:尊敬するのはやはり両親ですね。私が「この道に進みたい」と思ったときに応援してくれたので、とても感謝しています。ありきたりかもしれませんが、一番の支えでした。

また、海外の動物福祉に携わる方々も尊敬しています。アメリカのシェルターや、ヨーロッパ、特にドイツの動物福祉の取り組みは日本より進んでいて、動物たちにとってより良い環境を提供する努力をされています。こうした活動をされている方々は本当にすごいなと思います。


日本獣医中医薬学院の山内健志先生も、心から尊敬しています。山内先生は学院を設立し、獣医師向けに動物の鍼灸治療を教えてくださいました。動物の鍼灸は流派がいくつかありますが、山内先生は「いかに動物に負担をかけず、気持ちよくリラックスした状態で治療するか」を重視しており、その考え方がとても素晴らしいと感じています。山内先生のおかげでこの治療法を知ることができたので、本当にありがたく思っています。

また、山内先生の恩師である温先生の教えも印象的でした。温先生は、「病院はすでに動物たちにとってつらい場所なのだから、帰るときには明るい気持ちで帰れるように治療しなさい」とおっしゃっていたそうで、この言葉は今も私の診療方針の根幹になっています。



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東洋医学を扱う獣医師の繋がりなどはあるのでしょうか。


院長 みとめさん:東洋医学を扱う獣医師同士のつながりはあります。同期の獣医師たちとは勉強会を開いたり、私が栄養学のセミナーを行ったりしています。私は、整体に詳しい同期のセミナーを受講して「整体って面白い!」と感じ、そこからさらに学びを深めることになりました。頻繁に会うわけではありませんが、もう少し強固なつながりを築きたいと考えているので、いずれはしっかりとしたコミュニティを作りたいとも思っています。

将来的には、自分の学んだ栄養学や中医学を他の獣医師に教え、その獣医師たちが集まるコミュニティを作りたいと考えています。全国にそうしたネットワークが広がれば、各地の獣医師が対応できるようになります。

そうなれば、飼い主さんにとっても選択肢が増え、西洋医学だけでなく、より幅広い治療法を選べるようになります。どうすればこのような仕組みを広げていけるのか、今まさに模索しているところです。



最後に、何か伝えたいことはありますか。


院長 みとめさん:ペットについて一番深く理解しているのは、やはり飼い主さんご自身です。私は、飼い主さんがそのペットの「ホームドクター」としての役割を果たせるようになってほしいと強く思っています。情報が簡単に手に入る現代では、正確で信頼できる知識を持つことが大切です。ただ、一般的に「良い」とされる方法が必ずしも自分のペットに合うとは限りません。そのため、個体差を理解し、その子に合った方法を選び取れる力をつけていただきたいと思っています。


また、獣医師として、ペットだけでなく飼い主さんの心身も穏やかに整えることを目指しています。私は、ペットと飼い主さんの両方を支えることで、お互いの幸福度を高めるサポートを続けていきたいと考えています。そして、同じ志を持った獣医師を増やすことも私の目標のひとつです。そのために学びを続け、情報共有をしながら、飼い主さんとペットに寄り添う医療の発展に努めています。


具体的な取り組みとして、2月14日に獣医師が伝える愛犬・愛猫との穏やかな時間の過ごし方セミナーを開催予定です。その後、5月から6月頃には、整体や推拿(すいな)の技術を学べる講座を予定しています。この講座では、飼い主さんが自宅でペットのケアを行えるスキルを身に付けられることを目指します。さらに、9月以降には、ペットの手作り食に関するセミナーを計画中です。このセミナーでは、栄養学の基礎知識や手軽に取り組める調理法を伝える内容を予定しています。

これらの活動を通じて、ペットと飼い主さんがより豊かに暮らせるよう、これからもサポートを続けていきたいと思っています。



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※インタビューの情報は2025年2月現在のものとなります。

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